[脳外科外来]
脳外科外来を受診する半数の患者さんは、なんらかの【頭痛】を訴えています。頭痛を訴えて受診するうち
・脳卒中
・脳腫瘍
など脳の病気が見つかるのは2〜3%ほどで、ほとんどの人に脳の病気はありません。
脳疾患や目の疾患が元になって起こる頭痛は【二次性頭痛】と呼ばれ頭痛の原因となっている病気の治療が必要です。
対して偏頭痛や緊張型頭痛は【一次性頭痛】と呼ばれ外来患者のほとんどはこのタイプで脳の病気などを心配することはありません。
[危険な頭痛とは?]
命にかかわるような危険な頭痛として
・これまで経験したことのない頭痛
・突然起こる激しい頭痛
・ふらつき、めまいなどの神経症状を伴う頭痛
などが見分けるポイントです。
その中でも【くも膜下出血】はこれまで経験したことのない頭痛の典型的な症状ですぐに病院に行く必要があります。発症から時間が経つと診断が難しくなり大きな発作につながる可能性もあります。
[危険な頭痛のタイプ]
・頭痛と手足のマヒ、めまい、言語障害、意識障害、痙攣、発作
このような症状は脳の障害を疑います。脳は神経のかたまりですので病気があると様々な症状が出てきます。
・発熱と強い頭痛
細菌やウイルスによる髄膜炎や脳炎の可能性があります。
他にも弱い頭痛でも
・軽い頭痛がなかなか良くならない頑固な頭痛
・だんだん痛みが強くなってくる頭痛
このような場合には脳腫瘍の可能性がありますので早めに病院に行くことをおすすめします。
[脳の診断]
くも膜下出血や脳腫瘍の検査にはCTが用いられます。CTは脳を輪切りにしてみることができるので脳の病巣を知るのに威力を発揮します。
ただし、軽度の【くも膜下出血】で時間の経過したものは、脳内の出血が洗い流されていて診断が困難になります。
このような事から【くも膜下出血】の3〜5%程度が風邪や頭痛と診断されてしまうことがあり、そのまま放置すると重大な脳疾患になる場合もあるのです。
[脳梗塞と頭痛]
脳の血管が詰まることによる【脳梗塞】は頭痛を伴うことはほとんどありません。
・手足のマヒ
・言語障害
など神経障害の症状が主になります。
しかし特別な例として頭痛が伴う脳梗塞があります。
椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)による小脳梗塞がそれで、脳に血液を送る太い動脈である椎骨動脈の内側が裂けてしまう(解離)ことにより、首の後ろから後頭部にかけて強い頭痛が起こります。
運動をつかさどる小脳に脳梗塞が起こりますので
・強いめまい、吐き気、ふらつき
・顔面と手足のしびれ
・片方の耳が聞こえにくくなる
などの症状が特徴です。
脳梗塞は高齢者に多く見られるのに対して、椎骨動脈解離による小脳梗塞は30
〜40歳代の男性に多く見られます。
首の後ろから後頭部にかけて強い頭痛を感じたら命にかかわる危険な状態ですので、すぐに病院に行くことが重要です。
[頭痛が引き起こす様々な病気]
首から上の病気は頭痛を伴って症状が出るものがあります。
・副鼻腔炎(ふくびくうえん)
・蓄膿症
・中耳炎
・緑内障
などがあり詳しく症状を診る必要があります。
この中でも緑内障の発作は目の痛みと共に頭痛や吐き気を伴いますので頭の病気と間違えやすく放置すると失明することにもなるので、できるだけ早い時期に適切な診断と治療が何よりも大切になります。
白目の部分に充血があり、視力や視野に異常を感じたら緑内障を疑ってみる必要があります。